冬が来れば思い出す。
お久しぶりです。私です。
寒いですね。
鼻水が止まりません。
風邪をひいたとは思いませんが、鼻水が止まりません。
皆さんも鼻水でお困りではないといいのですが、最近はすでに花粉も飛び始めたといいますから、もう何が何だか困ったものです。
そういえば、
ちなみに、
『そういえば』や『さて』などの接続詞は、私の中では全くどうでもいい話をする予告になっています。
ですから、この手紙の中で見かけたら、「あ、なんかどうしようもないことが始まるんですね」くらいの気持ちをご用意いただけたら幸いです。助かります。ありがとうございます。
では、
改めて、
そういえば、
中学1年生のとき、理科の授業中に鼻水が滴り落ちてきてずいぶん焦ったことがありました。
移動教室で、理科実験室のような場所での出来事だったと思います。
11月頃、調子に乗って薄着でおりました。
周りは「お前その恰好寒くないの?風邪ひかない?」と心配してくれていましたが、数か月前まで年中半袖短パンボーイだった私は、寒いのを我慢することこそカッコいいと信じていました。
ですから何を言われても、
「いや、全然寒くねーから(笑)
お前ら寒がりすぎな(笑)」
と返していました。
しかし内心は、
「ほんと寒い実験室寒すぎ教室帰りたいストーブどこストーブ(泣)」
でした。
全くの愚か者であります。
そして、授業が始まって少し時間が経つと、
案の定、鼻水が垂れてきました。
それはまあ中々の勢いで垂れてきまして、すぐにでも口まで到達しそうでした。
非常に焦りました。
「これはやばい。
万が一このまま鼻水が出続けて口にでも入ったら、周りから何を言われるか分からない。
『あいつほんとは寒かったんだな』
『あいつ鼻水まみれだな』
『そもそもあいつは誰だ』
とか言われるかもしれない。
いや、それよりも、
変なあだ名をつけられるかもしれない
『鼻水』とか『非常食鼻水マン』とか言われるかもしれないし、
習いたての英語使って『HANAMIZU in the mouth』とかになるかもしれない、
それが思いのほか周りにも定着しちゃって、3年間呼ばれ続けるかもしれない…
それはまずい。
まず過ぎる。
3年間『HANAMIZU in the mouth』は辛すぎる。
だったらせめてシンプルなやつにしてくれ」
私は恐怖しました。
そして今までの全てのやせ我慢を恨みました。
やせ我慢のせいで私の健全な学校生活が脅かされているのです。
もう強がるのはやめよう、そう強く決心しました。
だからこそ、
何としても鼻水が口に到達するまでに鼻水を撃退する必要があったのです。
しかし愚かな12歳私、ハンカチもティッシュも持っておりません。
私は追い込まれました。
そして追い込まれた私は、
理科の資料集の表紙の裏を引き裂いて鼻をかみました。
一瞬の判断。
音速の思考。
少しでも薄く、鼻に優しそうな紙製品。
私の目につく場所には、それはもう資料集の表紙の裏側の薄い部分しかありませんでした。
いま考えれば隣の子にティッシュをもらうとか、最悪袖で拭ってしまうとか、方法は色々あったんでしょうが、当時の音速の思考の限界はそこでした。
資料集や教科書の本編の部分を引き裂かなかっただけ、まぁよしにしてやろうと思っていますが、周囲の席の子からしたら、冬に薄着してるやつがいきなり資料集を引き裂いて鼻をかんだわけですから、さぞ困惑しただろうと思います。全く申し訳ないことをしました。
そうして鼻水は何とか撃退し、奇天烈なあだ名がつくことは回避できました。
が、私の資料集はダメージを負いました。
私に3年間あだ名がつかなかった分、資料集は本来ならば負う必要のない傷を負ったわけです。
全く、感謝しかありません。ありがとう資料集。火山と宇宙のところはよく読みました。本当にありがとう。
そんなことが、昔ありました。
さて、
最近わたしは、筋トレをしながら、
昔からの憧れの人を偶然街で見かけたら、声をかけるかかけないかどっちだろう、などと妄想しながら元気に毎日を過ごしています。
皆さんはお元気でいらっしゃいますでしょうか。
寒いので、風邪など引かないように暖かくしていただきたい。
いつぞやの私のようにやせ我慢などなさらぬように。
鼻水垂れてきますから。
お気を付けくださいませ。
では、
また、手紙を送ります。